海外医学部卒の研修医のプロフィール
①年齢、医師何年目か?:
医師1年目
②性別:
男性
③診療科、役職:
初期研修医1年目
④医師関係の保有資格(専門医など):
なし
⑤開業医or勤務医orその他(産業医など):
勤務医
海外医学部卒の研修医に質問してみた
①なぜ海外医学部に入学した?きっかけは?:
もともと海外に住んでいて、その住んでいた国で高校から進学するときにこの国の大学でもいいよね、という軽い理由でした。
日本にまだ帰りたくなかったということもあります。
②これまでの経歴は?:
8歳まで日本で過ごし、それから大学まで日本の公立小学校・中学校と海外のインターを行ったり来たり(一年に一学期日本に帰るようなことを中学時代はしていました)しました。大学に入ってからは完全に海外です。医学部を卒業してから、その国では医師になれない(外国人は医籍登録ができない)ので、一旦途方に暮れてから予備試験というものがあることを教えていただき、それに備えると共に学生ビザでその国に居るために、とある医療系学部(特徴的なので、ここで言うと一発で特定される)に入学し、それを3年間やるとまた別の国に2年間留学できることを知り、それでは最後まで・・・ということで結局5年制のその学部を卒業し、日本に帰って来た感じです。
③海外医学部の入学試験はどんな感じ?:
海外医学部の入学試験としては、A-levelというイギリス系カリキュラムの成績と、面接試験でした。面接試験ではいわゆるトロッコ問題のような設問があり、あなたはどうする?といった質問をされました。入学するのは難しくないというイメージそのままで、当時は簡単に入学できました。現在では私の母校もだいぶ入学条件が厳しくなり、倍率も相当高くなっているようです。
④海外医学部は学費や生活費が高いイメージがありますが、卒業までにお金はどれくらいかかった?:
私が行ってた医学部は(当時)学費が一年間で360万ぐらいでした。5年制なので、卒業するまでにはざっと1800万ですね・・・
生活費は(当時)日本の物価の半分以下だったので、過ごしやすいといえば過ごしやすかったですね。しかし親と一緒だったので、生活費についてはあまり詳しく言えないです。すいません。
⑤海外医学部の生活は?1日の勉強時間はどれくらい?遊ぶ時間はあるの?:
とりあえず8時から4時ぐらいまで授業で詰まってましたね。成績の良い人はそれから図書室にこもって勉強という感じです。
臨床実習の時はやはり朝から5時ぐらいまで病院にいて、それからは自由時間ですが結構みんな勉強してましたね。しかし遊ぶ時間はあって、みんなでフットサルとかバスケットボールをしてました。いわゆる飲み会的な遊びは皆無でした。自分の好きな分野を勉強でき、周りにも仲のいい友達が複数居るような環境だったのでとても楽しかったです。バイトなどする学生は皆無でしたね。なので日本の医学生がよくバイトしていることを知って、凄いなと思っています。
⑥将来の夢や目標はありますか?:
なんとか自分の特性を活かせる職場を探せれば良いなと思います。医学は勉強したことが直接業務に活かせる、ある意味恵まれた職業だと思っているので、継続的に勉強を続け、周りの役に立てるような人材になりたいです。
⑦海外医学部は入学が簡単だが、卒業が難しいと聞きました。実際辞める人は多い?:
そうですね。毎年同級生の10%ぐらいは追試(教科ごとではなく、一つでも落とすとすべての試験を追試)を喰らい、最初の二年ぐらいで15%ぐらい居なくなった印象です。私自身は追試を運良く回避できたのですが、バンドメンバーが一人いなくなってしまって、悲しい思いをしました。
⑧海外医学部を卒業して日本の医師になるためには、医師国家試験予備試験→医師国家試験と2回受験が必要だと思います。外国語で医学用語を覚えているのでかなり大変でしたか?:
そうですね、細かく言うと、「日本語診療試験→医師国家試験」と「医師国家試験予備試験→医師国家試験」の二通りあるのですが、私は後者でした。
大変でしたが、その理由として、医師国家試験予備試験の過去問題は医師国家試験のように厚生労働省が公開しておらず、どうにか入手しても、各科目10問で例えば5年分集めても50問にしかならないのですね。となると、傾向と対策が分からない。どう勉強していれば受かるのかがとても不明瞭な試験なのです。それに比べて医師国家試験は予備校が出している動画授業やレジュメが大変優秀で、安心して勉強をすることができるのでありがたかったです。
⑨海外の医療と日本の医療を比べて、日本の医療について思うことはある?:
端的に言って、素晴らしいと思います。公衆衛生と国民皆保険制度から、病院のシステム、医師の技術と教育的態度まで全体的にレベルが高いのかな、と思います。
そう言うとどうしても大袈裟に聞こえると思いますが、高齢化社会において課題が沢山ある中、よくこの質を維持し、バランスを保っているなと思います。
⑩海外医学部を卒業してこれまでで辛かったエピソードベスト3は?:
1位:卒業試験にとても仲の良かった友達が落ちてしまい、号泣した
私には仲のいい同志とも呼べる同級生でもあり、ハウスメイトが6人いるのですが、その一人が卒業試験に落ちてしまい、留年になってしまいました。
みんなで揃って卒業するという目標が叶わず、卒業できた喜びより友達が落ちた悲しみから同級生みんなの前で号泣してしまい、それにつられたみんなで泣きました。
卒業試験の試験官には必ず他大学の先生が招かれており、その先生にかなり難しい質問をされたと言っていました。
2位:卒業しても医師になれない
みんなと卒業したは良いものの、友達が医籍登録したり、政府の面接官と面接をしたりするのを横目に、自分の将来はどうなるのだろうかと暗雲たる気持ちになった
のをよく覚えています。皆さんは留学する時は卒業した後にどこで働けるのかをよく確認してください。(笑)
それぐらいですかね、辛かったことは。正直言って、楽しかったことの方が数え切れないぐらい多くて、辛いことは上記2つのみぐらいです。日々の勉強時間は長く、
試験も毎回結果を待っている時は神に祈る気持ちですが、周りも全く同じ状況なので、むしろ楽しい思い出になっています。
辛いことといえば、上記のように周りと違う状況に陥ってしまった時に感じるものだと、今実感しました。
海外医学部卒の研修医の方に取材させていただきました。海外医学部の入学試験や生活、日本で医師になる方法等について貴重なお話を伺うことができました。海外医学部に興味がある方の参考になるかと思います。#海外医学部卒医師に取材 pic.twitter.com/uAltzO96Ws
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